免疫力を高めるビタミンACE!栄養損失が少ない調理法をご紹介
寒くなってきた季節、冬はインフルエンザなどの風邪ウィルスが流行る時期ですよね。
ビタミンの中でも特に、ビタミンA.C.Eは単独で効果を発揮します。それらを組み合わせると相互に作用し、効果を高めることができます。
ビタミンA.C.Eをうまくからだの中に摂り入れるにはどのようにしたらいいのか?
ビタミンA.C.Eの特徴と栄養の損失が少ない調理法などをご紹介します。
目次
緑黄色野菜から、抗酸化ビタミンを無駄なくとるコツ
今回はこの抗酸化ビタミンを無駄なくとる方法をご紹介します。
カラダを老けさせる活性酸素と過酸化脂質に対して強い力を発揮してくれる栄養素の中でも、特に知られているのが、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEではないでしょうか。
合わせて、その名も「ビタミンACE(エース)」と言います。
ビタミン・エースをとるためには、やはり緑黄色野菜を食べるのがおすすめです。
『緑黄色野菜を積極的に食べよう!』とよく言いますが、たくさんの種類の中でどれが緑黄色野菜かわかりにくいもの。
代表的な緑黄色野菜といえば、ホウレンソウ、ブロッコリー、ニンジン、カボチャ、トマト、ピーマン、アスパラガスなどがありますが、そのほかのものでも、食べられる部分の緑や赤の色が濃い野菜は、だいたいビタミン類が豊富です。
緑黄色野菜には、体内で必要に応じてビタミンAに変わるβ-カロテンのほか、ビタミンC、ビタミンE、さらに、葉酸やミネラルなどもたっぷり含まれています。
緑黄色野菜をうまく茹でる調理法
野菜はゆでると、水溶性のビタミンB群やビタミンC、カリウムといったミネラル類などの栄養素が水に溶け出してしまいます。
栄養のことを考えると生で食べるのが一番なのですが、とはいえ料理のメニューやその日の体調、気分などによっては、ゆでて食べるということもあるでしょう。
できる限り栄養の損失が少なくてすむ、野菜のゆで方を紹介します。
水に浸かる
ポイントは、とにかく水に浸かっている時間を短くすることです。
そのために、ゆでている間は菜箸などでかき混ぜながらゆでましょう。このほうが野菜全体に熱が早く行き渡るので、ゆで時間が短くてすみます。
また、ゆであがった野菜を水にさらす人も多いと思いますが、これは必ずしも必要ありません。ホウレンソウのようなアクの多い野菜以外は、ザルなどに広げて冷ましたほうがいいでしょう。
この方法なら、ザルの上で余熱でさらに加熱が進むので、そのぶんゆで時間の短縮につながります。
電子レンジを使うと水に浸からないので、栄養の損失が少なくてすみます。
アクが少ない野菜の調理にはおすすめです。
玉ネギの切り方で、抗酸化物質を増やすことができる
体がサビるという記事で、活性酸素の話をしましたが、抗酸化物質は、緑黄色野菜に限らず、私たちが日常的に食べている淡色野菜にもいろいろ含まれています。
そのひとつが、玉ネギです。
生の玉ネギが持っている独特の辛みは、含硫化合物(硫黄を含んでいる化合物)によるものです。
そんなありがたい含硫化合物を、調理の際のちょっとしたコツを守ることで、簡単に増やすことができます。
玉ねぎは包丁で細胞を断ち切る
玉ネギの含硫化合物は、もともと含まれているほか、包丁で細胞を断ち切ることによってさらに増やすことができます。
ご存じの通り、玉ネギには縦に繊維が走っています。
玉ネギの細胞は、縦長の形をしていて、この縦の繊維に沿って並んでいます。
そこで、この縦の繊維に対して直角に包丁を当ててスライスしていくと、繊維に沿って切っていくのに比べて、切断される細胞が増え、含硫化合物の量を増やすことができます。
ただし、含硫化合物が増えると、生玉ネギの辛みも確実に増えます。
この辛みを抑えるために、スライスした玉ネギをよく水にさらしますが、こうすると、含硫化合物をはじめ水溶性のビタミン類やカリウム、オリゴ糖なども水に流れ出てしまうので、栄養のことを考えると、あまりおすすめできません。
玉ネギの辛みを抑えたいなら
切ったあと水にさらさず、そのまま15分ほどおいておくといいでしょう。
含硫化合物の一部が揮発し、辛みが飛んで食べやすくなります。
抗酸化物質リコピンを、 トマトから効率よくとる方法
抗酸化作用のある物質のうち、近年有名になったものに、リコピンがあります。
リコピンは天然の色素の一種で、赤い色をしています。
リコピンが豊富な食材といえば、トマトです。
トマトに含まれる栄養がすごい
トマトはリコピン以外にも、ビタミンC、ビタミンE、カリウムなどをバランスよく含んでいる、とても抗酸化作用の高い頼もしい野菜です。
積極的に食卓に取り入れて、老けないカラダ作りに役立てていただきたいと思います。
そんなトマトを食べるときは、どうせなら効率よくリコピンを摂取したいですよね。
ちょっとしたひと工夫でリコピンをたくさんとれるようになるので、 ぜひ実践してみてください。
生のトマトの場合
生のトマトはできるだけ赤くしてから食べることがおすすめです。
リコピンは赤い色素なので、トマトが赤くなればなるほど、リコピンの含有量は増えるのです。
買ってきたトマトがまだ完熟していなかったら、冷蔵庫には入れずに、追熟させましょう。
適温は19度〜24度くらいです。
ある程度赤くなったら、熟しすぎないように、それから先は冷蔵庫の野菜室で保存します。
たったこれだけのことで、買ってきた最初のトマトよりもリコピンが増え、抗酸化作用を高めることができます。追熟させると味わいも深くまろやかになるので、一石二鳥ですね。
リコピンは生野菜より、水煮缶やトマトジュースなど、一度加熱された加工品に含まれているもののほうが吸収しやすいことが明らかに なっています。
比較的熱に強いので、生のトマトを油を使って調理しても大丈夫。
むしろ熱が加わることで、生食よりリコピンの吸収性は高まるといわれています。
ゴマの抗酸化力を、さらに引き出す食べ方
ダイエットはもちろん、カラダにいい食品として、ゴマの人気が高まっています。
ゴマの成分に注目したサプリメントや健康食品なども、続々と販売されていますね。
ゴマがカラダにいいというのは周知の事実です。
ゴマには、リノール酸、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類、ビタミンB群、ビタミンE、さらに食物繊維などが豊富に含まれています。
注目すべき【ゴマリグナン】
名前からして強そうなこの物質は、抗酸化作用が高く、老化の進行を遅らせたり、がん予防にも役立つものとして、期待と注目が集まっています。
ゴマを毎日小さじ1杯程度食べ続けることは、老けないカラダのためにとてもよいと言われているのです。
毎日の食卓に取り入れていただきたいのですが、ゴマには難点があります。
それは、種皮があるので消化吸収しにくい、ということ。
そこで、おすすめなのが、ゴマを深煎りしたうえで、包丁で細かく刻んだり、すり鉢ですっていただく方法です。
ゴマを上手に調理するコツ
ゴマを加熱すると、ゴマリグナンのひとつであるセサモリンという物質が分解され、より強い抗酸化力を持つセサモールに変わります。
また、刻んだりすることで種皮が壊れてきます。
つまり、煎ってから細かくすれば、抗酸化力はアップするうえに、消化吸収もしやすくなるので一石二鳥です!
抗酸化力に優れた緑黄色野菜のホウレンソウやサヤインゲンなどのゴマ和えは、とても抗酸化力の高いメニューとして有名。
もう一品おかずがほしいときなどに最適なので、ぜひ食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
話題の亜麻仁油やエゴマ油は、使い方を間違えると悪影響に
DHAやEPAという言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
DHAはドコサへキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸といい、どちらも青魚に豊富なn-3系の脂肪酸です。近年、n-3系脂肪酸の健康効果に注目が集まったことで、DHAもEPAもすっかり有名になりました。
脂肪酸にはさまざまな種類がありますが、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。さらに不飽和脂肪酸は、その構造によってn-3系、n-6系、n-9系に分けられます。
うち、n-3系脂肪酸には、血液中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすなど、体内を若々しく保つ効果があることがわかっています。
a-リノレン酸はダイエットやアンチエイジングなどによく使われる言葉なので、ぜひ覚えておいてください。
私たちのカラダは、若いうちはa-リノレン酸を体内でEPAに、そしてEPAをDHAに変換することができるのですが、歳をとってくるとこれがむずかしくなってきます。
そんなa-リノレン酸を多く含んでいる食用油が、亜麻仁油とエゴマ油なのです。
これらの油は、適量を摂取する限りは確かにカラダによい油ですが、使い方を間違えると、かえってカラダに悪影響を与えてしまいます。
亜麻仁油とエゴマ油は、とても酸化しやすい
油は酸化すると、老化を早める過酸化脂質になるため、カラダによくないといわれています。
亜麻仁油とエゴマ油の酸化を防ぐためには、加熱調理では使わず、サラダなどにかけていただくことがおすすめ。
また、瓶に入れて置いておくだけでも、使っていくうちに空気にふれ酸化するので、なるべく早く使うことも大切です。古くなった油を使うと、体内の過酸化脂質を増やしてしまうだけです。
まとめ
いかがでしたか。
免疫力を高める食材を栄養をできるだけ失わないように調理する方法をご紹介しました。ダイエットやアンチエイジングを心がけている方に参考になってくれると嬉しいです。